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『優しいばーちゃん』


◇ 心霊ちょっといい話VER。6 ◇

510 :本当にあった怖い名無し:04/08/27 12:56 ID:+2EX1C+J
俺にとってばーちゃんは、『優しさ』の権化みたいな人だった。
いつもにこにこしてて、言葉を荒げることもなく、本当に穏やかな人で、
家族みんながばーちゃんのこと大好きだった。

ばーちゃんは動物にも優しくて、家の周りにある三毛猫がうろつきはじめると、
餌づけして、いつの間にか家のネコになってた。
ほどなくして家族にもなついたんだけど、
俺や妹が抱き上げて撫でてやっても、機嫌よくはしているんだけど、ノドをゴロゴロと鳴らすことはないくせに、
ばーちゃんが視界に入るだけで、その三毛猫はゴロゴロとノドを鳴らしてた。
その様子にいつも可愛がってた俺や妹は憤慨したもんだ。
なんでばーちゃんがいるだけでゴロゴロいいやがるんだ、こいつは(`Д´)と。

三毛猫が二度目の出産をしてしばらくたった頃、ばーちゃんが入院した。本人には知らせなかったがガンだった。
入院からたったの一ヶ月。ホントにあっとゆー間にばーちゃんは逝っちゃった。
看病している時、一言も「痛い」と言わなかったばーちゃん。
末期で凄まじい痛みがあるハズなのに、顔を見ては「ありがとう」と微笑むばーちゃん。
逝ってしまう1週間くらい前だったかな?
珍しくしかめっ面してベッドにいるばーちゃんに「痛いのか?」と聞いたら、小さく頷いた。
俺が初めて見たばーちゃんの弱音だった。そんな我慢強い人だった。

死に顔は本当に安らかで、元気だった頃のばーちゃんの穏やかな顔そのもの。
遺体を家に連れて帰って、葬儀をすませたその夜、
気がつかない間に、三毛猫は生後二ヶ月の仔猫4匹を連れて家出した。それっきり帰ってこなかった。
大好きなばーちゃんがいなくなったのを感じ取ったんだろうか・・・

あれから9年。ばーちゃんの事を思い出すのも滅多にないよーになってた。
先日、ばーちゃんに会わせてあげられなかった嫁が死産した。
俺の子供が嫁のお腹の中で死んでしまってた。前日までお腹蹴ったりしていたのに。
母体への影響もあるということで、嫁は普通分娩で2日かかって出産してくれた。
9ヶ月の男の子だった。体重2600g、身長49cmまでにもなっていたのに、産声を上げることなく出てきた。


511 :510:04/08/27 12:57 ID:+2EX1C+J
俺も嫁も初めての子だっただけに、どうにも現実とは思えず放心状態。
息子が出てきてくれた夜は丸二日寝てなかったのに、病院の簡易ベッドということもあり、なかなか寝つけなかった。
うとうとし始めた頃に、夢にばーちゃんが出てきてくれた。
別に何を言うわけでもない。いつもの笑顔で俺を見つめて、ただ2度頷いてくれた。

目が覚めて、まわりを見渡し、夢であったことを自覚すると、
嫁に気付かれないように病室を出て、駐車場のクルマまで一目散に行った。
そして大泣きした。まさに号泣した。

ありがとう、ばーちゃん。きっと息子のことはまかせとけって言いにきてくれたんだよね。
忙しさにかまけて墓参りもまともに行ってない不幸者なのに、ちゃんと見守ってくれてたんだな。
そう思うと、息子を亡くした悲しさと、ただ自分がつくりあげた妄想かも知れないが、
夢にまで出てきてくれたばーちゃんや祖先に対する感謝が塊となって襲ってきて、大声あげて泣いた。
まだ立ち直ったとは言い切れないけれど、俺は嫁と一緒にがんばっていくよ。
心配ばっかかけてごめんな、ばーちゃん。どうかこれからも見守っててください。
そして、俺も嫁も知らない世界へ行った息子の魂を守ってやってください。

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